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業務代行・アウトソーシングにおける知的財産権の管理方法

業務代行・アウトソーシングとは、自社で行っていた業務の一部または全部を外部の専門業者に委託することです。

コスト削減や効率化、専門性の向上などのメリットがありますが、同時に知的財産権(IPR)の保護や活用という課題も生じます。

知的財産権とは、発明や創作物などの知的な創造物に対して法律が認める権利です。特許、商標、著作権などが代表的なものですが、ノウハウや顧客情報などの企業秘密も含まれます。知的財産権は、企業の競争力や収益源となる重要な資産です。

業務代行・アウトソーシングを行う際には、自社の知的財産権を外部に漏洩させないようにするだけでなく、委託先から提供される成果物に関する知的財産権の帰属や利用範囲を明確にする必要があります。また、委託先が自社の知的財産権を侵害していないか、または侵害されていないかを確認する必要もあります。

本ブログでは、業務代行・アウトソーシングにおける知的財産権の管理方法について、以下の4つのポイントから解説します。

  • IP戦略を決定する
  • IPをデューデリジェンスの一部にする
  • アウトソーシング契約における重要な知的財産の問題
  • 明確なコミュニケーションを確立する

IP戦略を決定する

業務代行・アウトソーシングを行う前に、自社が保有する知的財産権のインベントリを作成し、公開される可能性のあるものとそうでないものを区別する必要があります。また、委託先から提供される成果物に関しては、自社が必要とする知的財産権の範囲と条件を明確に定める必要があります。

自社が保有する知的財産権については、以下のような点に注意してください。

  • 既存の特許や商標、著作権などは登録や更新を適切に行っておくこと
  • 企業秘密は文書化し、アクセス制限や暗号化などのセキュリティ対策を行うこと
  • サードパーティとのライセンス契約がある場合は、その内容や制限を確認し、委託先との共有に問題がないか検討すること
  • 委託先が自社の知的財産権を侵害していないか、または侵害されていないかを監視する仕組みを整えること

委託先から提供される成果物については、以下のような点に注意してください。

  • 新たに作成される知的財産権の帰属者を明確にすること(通常は委託料を支払う自社が所有者となりますが、場合によっては委託先との相互ライセンスもあり得ます)
  • 自社が必要とする知的財産権の利用範囲や条件を明確にすること(例えば、独占的か非独占的か、期間や地域はどうか、サブライセンスや譲渡は可能かなど)
  • 委託先が他社の知的財産権を侵害していないか、または侵害されていないかを確認すること(例えば、委託先が他社からライセンスを受けている技術や素材を使用している場合は、その内容や制限を確認すること)

IPをデューデリジェンス(事前調査)の一部にする

適切な業務代行・アウトソーシング先を見つけることは、長く困難なプロセスです。その中で、知的財産権に関するデューデリジェンス(事前調査)も重要な要素です。以下のような点に注目してください。

  • 委託先が所在する国の知的財産法や施行状況を調べること(知的財産権の尊重度や保護水準が低い国へのアウトソーシングはリスクが高いです)
  • 委託先が過去に自社や他社の知的財産権を侵害したり、侵害されたりした事例がないか調べること(参考文献や口コミなどで評判をチェックすること)
  • 委託先が機密データを保護するための手順やセキュリティインフラストラクチャを持っていることを確認すること(例えば、従業員のバックグラウンドチェックや教育、ネットワークや端末の暗号化や監視など)
  • 委託先が知的財産権に関連する保険に加入しており、万一のトラブルに備えていることを確認すること

アウトソーシング契約における重要な知的財産の問題

業務代行・アウトソーシング契約の起草にあたっては、特別な注意を払うべき知的財産関連の問題があります。

代表的なものを挙げると、

  • 秘密保持条項:契約当事者は、相手方から提供された機密情報を第三者に開示したり、契約目的以外に使用したりしないことを約束する条項です。機密情報の定義や範囲、開示方法や例外事項、開示期間や返却義務などを具体的に定める必要があります。
  • 競業避止条項:契約当事者は、相手方と競合する業務を行わないことや、相手方の従業員や顧客を引き抜かないことを約束する条項です。競業避止の対象や期間、地域、違反時の損害賠償などを具体的に定める必要があります。
  • 知的財産権帰属条項:契約当事者は、既存の知的財産権の帰属や新たに作成される知的財産権の帰属を明確にする条項です。通常は、委託料を支払う自社が新たに作成される知的財産権の所有者となりますが、場合によっては委託先との相互ライセンスもあり得ます。その場合は、ライセンスの範囲や条件も明確に定める必要があります。
  • 知的財産権侵害防止条項:契約当事者は、自社や他社の知的財産権を侵害しないことや、侵害されないことを約束する条項です。委託先は、自社が保有する知的財産権や他社からライセンスを受けている知的財産権を自社に開示することや、万一の侵害に対して自社に保証することなどが求められます。

これらのように、業務代行・アウトソーシング契約では、知的財産権に関する条項を十分に検討し、書面で明確に取り決めることが重要です。また、契約後も定期的に見直しや監査を行うことで、知的財産権の管理を継続的に行うことができます。

 

業務代行・アウトソーシングにおける知的財産権の管理方法について、詳しく解説しました。知的財産権は、企業の競争力や収益源となる重要な資産です。そのため、業務代行・アウトソーシングを行う際には、自社の知的財産権を保護し、委託先から提供される成果物に関する知的財産権の帰属や利用範囲を明確にする必要があります。当社は、業務代行・アウトソーシングにおける知的財産権の管理に関する豊富な経験と専門性を持っております。

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